収穫したサツマイモベニハルカの疑似的キュアリング作業(家庭向け)

家庭菜園で収穫したサツマイモを家庭でキュアリング

サツマイモベニハルカ(無農薬)
今年は晴天に恵まれ、灌漑用水がなければ大干ばつとなっていたところを、何とかお米も例年よりも一週間早くに収穫できました。サツマイモのベニハルカも例年より二か月以上早くに収穫ができましたので、今年は腐敗させないように私が洗浄することにしました。家族にサツマイモを任せると何度ダメだと言ってもヤシでできたトゲトゲのタワシで水洗いして傷だらけにして腐らせてしまいます。昨年は部屋の中に保管していたカンパチがネズミに食われて不衛生な気がしましたので全廃棄と、黄金千貫は天ぷらしか用途がなく調理に手間がかかるのでファストフードとして食べきれずサツマイモの品種選びと保管には毎年苦心しています。

サツマイモが冬を越し春を越し今も一昨年のおいしくない黄金センガンが裏庭に置いてありますが、あれはネズミや虫さえも食わないみたいで今も少々葉が出た状態で放置されています。黄金千貫が冬を越し夏まで越してしまったのにはインターネットの知恵袋で書かれていた「発泡スチロールに入れて冷蔵庫の上に置いておく」という方法のおかげです。さすがにこの芋すべてを冷蔵庫の上に置くわけにはいきませんから、今年は違った方法での保管を試みることにしました。

サツマイモのキュアリング処理

芋の指導ページにサツマイモのキュアリングという処理が腐れを防ぎ3か月以上長期保存できると書かれていました。参考にしたページは鹿児島県の・・・


  • 「サツマイモの貯蔵についてhttp://www.pref.kagoshima.jp/ag06/sangyo-rodo/nogyo/nosanbutu/satumaimo/ziten/documents/06.pdf」


・・・という文書です。キュアリングとは湿度80%~100%で高温30~31度に7日間置いてサツマイモが自ら傷を癒し保存性を高める方法です。ちょうど今の気温は30度以上ありますので、家庭でのキュアリング処置に近いことができるのではないかと思いました。

別にキュアリングしなくても黄金千貫は腐らなかったので、冷蔵庫の上に置いておけば家庭では大丈夫な気がします。

高温処理:処理温度40度、1.5日で菌の数は二分の一になる

この一文を読み、ふと思いつきました。これはキュアリングとは別に高温処理した実験の報告に書かれていました。※既に病原菌に侵されている芋は菌が広がる可能性があり一緒に保管しません。品種によっては内部黒変します。皮の色が変わりますので青果販売用には適しません。

ならば私は60度の湯で洗浄するだけを試みてみよう!

頭の悪い私でもこの程度のことはすぐに思いつきました。家庭のボイラーの湯では60度以上の湯が出ませんので、この湯で表面を洗い流すことでキュアリングと殺菌処理を行おうというものです。私の仮説では温水洗浄により微生物が流されて滅菌できると確信しています。

お風呂に行って、小一時間ほどサツマイモのベニハルカを洗浄!

まだ気温が30度以上ある中、蒸し暑いところでサツマイモのベニハルカを柔らかい食器洗い用のカラフルなスポンジを使い洗浄しました。この作業、かなりの重労働で腰が途中で痛くなり連続して作業を続けることはできませんでした。途中で作業の腰を休めながら、何とか家の中を汚しまくった挙句に60度の高温の湯でサツマイモの洗浄を終えることができました。

洗浄後、湿ったサツマイモを収納ケースで数日保管すればキュアリング

室温30度ですので、このまま数日間サツマイモを衣装ケースに入れておけば本格キュアリングになります。しかし私は、あまり自分のやり方を信用していないといいますか、ちょっとリスキー(部屋にいるカビ菌を培養しそう)だなと思いましたので、床上でサツマイモを自然乾燥させることにしました。同時に家庭用の除湿器も稼働させていました。キュアリングの理論である高湿度とは正反対ですが本質である滅菌は押さえていると思います。

3時間ほど乾燥後・・・

既に夜は23時をまわってしまいましたが、床に置いておいたサツマイモの様子を見てみました。するとサツマイモの両端から黒い液が染み出してきており、それが固まっていました。どうせなら汚れた切り口も洗浄時に切っておけばよかったかなと後悔もしましたが、切り口は小さいほうが菌の侵入も少ないだろうと思い、既に癒合したかのように樹液みたいなものが固まっていたのでそのままにしておきました。おそらくキュアリングの本質は、このように浸出液を出させて傷口を覆うことではないかと思いました。一応、キュアリングらしきことは部分的に達成されていました。要するに、キュアリングとは芋を休眠させる前に少々起こして元気に活動させておくということだろうと思います。

サツマイモを新聞紙にくるんでプラスチックの衣装ケースに入れる

ネズミ防止のために、プラスチックの衣装ケースに芋を新聞紙にくるんで収納することに決めました。単なる収穫コンテナですと、ネズミにサツマイモが食い荒らされてしまったので。新聞紙にくるむのは芋と芋の間に空気が通るようにするためで、腐敗を防ぎ保温性を高めるためでもあります。サツマイモの周辺が無人になる夜だけケースに蓋をしめて、それ以外は開けておこうと思います。スコップで傷つけたサツマイモは長期保管せずに最優先で消費します。途中で新聞紙にくるむのが面倒になり、最上段だけそのままケースに入れました。

サツマイモの早採りの欠点と利点

サツマイモを早期に収穫して気づいた点があります。それは発芽による食味低下です。収穫後に1週間、室温が30度の日が続いています。そのためサツマイモが少々発芽してまして、食味低下が心配です。家庭菜園で芋を掘り起こすのは30度以下になってからのほうがよさそうですが、こうも芋の肥大が早いと、植えっぱなしでは芋が大きくなりすぎて腐敗しやすくなりますのでやむをえません。

サツマイモの早採りのメリットは今回試してみたように家庭でキュアリングができるという点です。早採りするためには苗木を早めに植えるか(関東以西の平地の場合)、株間を大きく開けておかなければいけません。

サツマイモは植え方によって芋の数が変わる!

北海道の「さつまいも栽培マニュアル2015」という文書を読んでみますと、サツマイモは植え方や株間によって芋の数が変わるらしいです。私が無意識のうちにマルチの雑草対策で試しました2節垂直挿しは芋の数が少なくなるそうです。26~33cmの株間にすると、消費者への販売に適した小さな芋が多く採れるようです。株間40cmではなんと芋の数が減って芋の大きさが大きくなるそうです。我が家の場合、大きい芋のほうが調理しやすいので株間33cmの2節垂直挿しや株間40cmの4節斜め挿しが合ってるようです。

後日談

サツマイモをキュアリングする時期は、10月中旬以降が絶対いいです。なぜならこの記事を書いた9月7日に収穫したものは、芽が5cmほど出てしまいました。しっかりと涼しくなってから収穫したサツマイモは、12月中旬になってもまったく発芽しません。

もしも文章をご利用になる場合は、このページが目立つようにリンクをお貼りになり、無断で引用・転載パクリしないでください。

さらに後日談(2017年10月24日追記)

今回試した家庭向けのキュアリング方法では、翌年の春(4月)までサツマイモをプラスチックの衣装ケースに個別に新聞紙でくるんだ状態で保管することができましたが、寒さに弱い小さな芋は腐って来たものがいくつかありました。そしてボイラーのお湯ですが、屋外までホースで繋いで洗ったほうが後片付けがより簡単でした。重要なのは細菌が伝染しないように新聞紙で一個ずつサツマイモを丁寧に包んでおくことで、芋のサイズごとに分けておいたほうが保管するうえでも感染対策に重要でした。春まで保存したサツマイモはたいへん甘かったです。

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