オリーブの加工と豆知識


果実の加工方法





種抜き・・・種を抜いたり切れ目やひび割れを入れてから漬けると早く漬かります。
ウェストマーク(独) オリーブ種抜き 
ドイツ製 オリーブストナー 

(テーブルオリーブの種抜きなので漬ける前の堅いオリーブに使えるかどうかはわかりません。)

概要
オリーブの果実の加工方法はいくつかある。
どの国も渋抜きし、大体、塩、酢、レモンで調味する。
ニンニクやハーブ、オレンジピールでフレーバーを付けることもある。
種抜きを用いない方法は、種は小槌や食器の底や包丁の面などで潰して取っている。





スパニッシュスタイル・・・通常はグリーンオリーブを用いる。灰汁が三分の二に浸透するまで行う。アルカリ液で軽く処理した後、塩と乳酸塩水でパックする。8-10時間灰汁に浸す。そして溶液を除去し、8~12%の塩分濃度で発酵に移し、水で1回~数回洗浄する。最初は陰性の腸内細菌が増えるが(怖っ・・・)、その後乳酸菌が急速に勢力を拡大する。ラクトバチルスなどのの細菌は病原性種に対する製品の製品の安定化を助けるために乳酸を生産する。(wiki英語版より)

ギリシャまたはシチリアスタイル・・・灰汁による工程を飛ばして8~12%の塩分濃度で発酵させる。塩水は定期的に交換する。苛性未処理の工程で豊富に存在する酵母菌が病原菌を打ち負かしているかのように見える。乳酸、酢酸、またはクエン酸は、多くの場合、プロセスを安定させるために発酵段階に添加され弱酸性になる。(wiki英語版より)

ピコリーヌまたは直接塩漬けスタイル・・・発酵を伴うオリーブ。緑、半熟または完熟のオリーブを用いる。スペイン風よりも長い時間(10~72時間)灰汁に浸している。灰汁が四分の三に浸透するまで行う。洗浄し、クエン酸で(有用微生物が安定するように酸度を)補正する。発酵は好酸性酵母や細菌によって行われるがほかの方法より落ち着いている。塩水はフェノール化合物を除去するために定期的に交換される。食べられる濃度になるまで塩分濃度をあげていく。(wiki英語版より)

・ウォーターキュアドスタイル(適切な日本語がないです。たぶん漬ける、塩水漬けという意味が近いのでは。)・・・緑、半熟、または熟したオリーブを用いる。オリーブを水または弱塩水中に浸し、この溶液を10~14日間定期的に変更する。オウロペインはこの工程で自然に除去される。発酵プロセスを助け工程をスピードアップするためにオリーブを石やハンマーで割ることもある。8~12%の塩分濃度で漬けて、苦味や酸が補正されて食べられる状態になる。(wiki英語版より)

・カリフォルニアスタイル(人工熟成方式)・・・発酵なしのオリーブ。緑と半熟したオリーブに適用される。オリーブは灰汁に入れて浸透させる。それらの除去の際に圧縮空気を入れて水で洗浄する。酸素及びアルカリ液の両方が種に至るまで浸れるまで、このプロセスは数回繰り返される。空気に触れさせることによって人工的に酸化させ黒い色に変え自然熟成を模倣する。黒く成ったら塩と酸で補正(味付け)される。(wiki英語版より)

・カラマタスタイル・・・完熟の黒紫や暗赤色のオリーブを用いて、塩水に漬ける。ナイフなどでを入れることもある。15-20日間苦味が取れるまで新鮮な冷たい水に漬けて水は毎日交換する。苦いものは最大20日間漬ける。1ガロンの冷水に対し塩1ポンドを追加しかき混ぜる。赤ワインビネガー4カップ入れる。(オリーブ10ポンドに対する分量)この食塩水を入れ、仕上げにオリーブオイルを八分の三インチそそぐ。しっかりふたを閉め60-80℉で保存する。約一か月後から食べられる。未開封であれば冷暗所で約1年保存できる。(参照したサイト

・ソルトドライド・・・Youtubeでのレシピ動画(英語)
・ヒートドライド
・マリネ・・・Youtubeでのレシピ動画(英語)、その2"Spicy Marinated Olives"(レモンピール、潰したニンニク、カイエンブラックペッパー、スモークパプリカ、ローレルをオリーブオイルを入れたフライパンで熱し、タイムで風味づけし冷ましたものを水切りした塩水漬けのオリーブを入れて冷蔵庫で寝かせる・・・と言ってるように語学力のない私には聞こえました!)
・種を取り除いて詰め物をしたもの
・ペースト、タペネイド(いわゆるスプレッド)
アスコラーナスタイル・・・ナイフで特大粒のオリーブを剥いて中に炒めた具を詰めて衣をつけて揚げたもの。アスコラーナスタイルのYoutubeの動画リンク
・ニーススタイル・・・小型の黒の完熟オリーブを収穫して、しばしばハーブと茎を入れる。

・リグーリアスタイル・・・黒オリーブを時に茎も塩水に詰める。vibrant(適切な日本語なし、英英辞典によるとエキサイティングという意味が近いか)なフレーバーを加味する。

・ガエタ・・・イタリアの黒オリーブを、乾燥させて塩で保存したものをマイルドなフレーバーになるようオイルでふき取る。しばしばローズマリーやハーブで風味づけする。

・セヴィラーノ・・・カリフォルニアで、塩水処理し、乳酸で保存。

・新漬け(日本)・・・苛性ソーダで渋を抜き塩水に漬ける。
・漬け(ショート)・・・水か弱い塩水に漬けて取り替えて、完了すると塩水とワインビネガーでパックしてオリーブオイルの層の上にスライスしたレモンを入れる。(wiki英語版)
・漬け(ロング)・・・切れ目を入れるか押しつぶしてから塩水に漬けて苦味をとる。(wiki英語版)
・酢漬け・・・脱渋しワインヴィネガーなどに漬ける。
・オイル漬け・・・脱渋しオリーブオイルなどに漬ける。
・シロップ漬け・・・脱渋し、メープルシロップ等に漬ける。
・ドライオリーブ・・・砂糖をまぶしドライフルーツのように作る。オリーブグラッセ。
・セミ干しオリーブ・・・シチリア流
イスラエル流の漬け方・・・アラブの方とほとんど同じやり方のようでニンニクと唐辛子とレモンを使います。苦いのが苦手な方はしっかり渋抜きしたほうがよいでしょう。
スペイン流の漬け方・・・伝統的なやり方では苛性ソーダは不要で、たいへん参考になります。
ギリシャ流の漬け方・・・まったく言葉がわからないので機械翻訳しました。1日2回塩水を交換して10~11日(20~40日、3日に1度水交換の場合も)渋抜きした後、殺菌した水、酢、塩を入れ12時間くらい均等化させておいて、油、レモンまたはビターオレンジの皮を置くそうです。別のサイトには本漬けのときに油を1cm入れ塩とローズマリーを入れて茹で水を冷やしたもので覆うと書かれていました。苦い味が好きな人は渋抜きの日数を半分にするようです。フレーバーに月桂樹とオレガノとタイムを使うこともあるようです。ミバエがいないか調べることや、沸騰させて冷却した水を使うとしっかり書いてあるところはさすがギリシャですね。具体的な分量が書かれたレシピ例
トルコ流の漬け方・・・12日間、2日に1度塩水交換。苦味がなくなったら本漬け。その後、レモンと塩を入れるやり方はほかと同じのようです。ブラックオリーブの漬け方


香川県農業試験場:果実の加工方法

Youtubeにも動画で漬け方を紹介しているようです。
パソコンがフリーズしてページが編集できなくなるので動画へのリンクは解除しました。
Olive Cureなどで検索すると出てくると思います。





その他オリーブについての情報




International Olive Council

Olive Oil Source


オリーブいろいろ

Olives New Zealand

Australian Olive Association

オリーブ研究ステーション(トルコ語)

カリフォルニア大学デービス校オリーブセンター

Olive Variety Assessment for Subtropical Summer Rainfall Regions

オリーブマーケット(香川県のお店)・・・いろんな品種の製品を販売されているようです。

Agricola Faena ss・・・イタリア語なのでまったくわからないですが、情報がありそうです。









オリーブ豆知識




サハラオリーブの木・・・干ばつに対する耐性をもっている。絶滅が危惧されている。
収穫熊手・・・オリーブの収穫に適した熊手があるようです。
フラントイオとマルメロは同一品種。
Pichorine Marocaineは挿し木で伝播しやすい。

Olive Variety Regional Performance Study
という論文も品種のパフォーマンスの傾向を知るためになかなか参考になります。
ただし、オーストラリアでの結果ですが・・・

thrumba olives・・・Thruboleaという品種をドライオリーブにしたもの。

イスラエルの新品種のセミドワーフタイプ・・・Kadeshon7-8g, Sepoka4-6g, Masepo7-8g
イタリアの兼用目的の新品種・・・Arno, Tevere, Basento

オリーブブックレット・・・無料で読める本。結構詳しい。英語。

オイルの色は風味と無関係・・・見た目に惑わされないよう青いグラスで官能検査をします。

ポリフェノールはオリーブが熟す2~5週間かけて急速に減っていく。果皮が変色しはじめるころが最大。

生食用に、Termit Di Biteto、Dolce Di Andriaがある。





オリーブの栽培方法





概要
・営利栽培では密植する方法が採られている。
・盆栽づくりも人気がある。
・弱アルカリ土壌を好む。
・春に伸びた枝に翌春花をつける。
・収穫は品種により異なり大体10月~12月あたりで用途別に収穫タイミングが変わる。
・日本の加湿環境では根の張りが弱いので大きくしすぎると倒れることもある。
・収穫量は5年目がピークである。Joan Toas (2006)
・根の通気性のよさを好み加湿を嫌う。
・オリ-ブアナアキゾウムシと炭疽病が天敵。
・オリーブの花粉は風で媒介されるので花粉提供樹と受粉樹の風向きを考慮する必要がある。
・オリーブの木は4歳になるまで剪定してはいけない(たくさん収穫する場合
・収量アップのための剪定と密植栽培用の「矮化」台木についてはこちらが参考になります。
・オリーブの木は年を取るにつれて隔年結果がはっきり表れる。

詳しくはオリーブいろいろ オリーブの栽培条件と管理参照

品種選びのポイント
・環境
・耐寒性
・耐病性
・活力と収量
・受粉の要件

・風味特性
・安定性・・・ポリフェノールとオレイン酸含有量と相関がある
・果肉と種の比率・・・漬けて食べるときに種が小さく果肉から離れやすいものが食べやすい。
・果実サイズ
・オイル含有量・・・オイル率が高いほうが搾油しやすい
・肉質

殖やし方
・Air Layering・・・空中での取り木。樹皮を削って水苔などで半年間くらい覆って発根を促す方法。Youtube動画1 動画2・挿し木
・接ぎ木

盆栽
・Olive Bonsai・・・Youtube検索結果一覧 
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