オリーブの品種特性一覧 オリーブの受粉相性

2章. オリーブの品種特性一覧とオリーブの受粉相性-趣味栽培する人のための一覧表

脳力の限界に達しましたのでこれいじょうの更新はしばらくないと思います。頭悪すぎてすみません(汗)2014.10.19 最終更新2016.6

オリーブの受粉相性の簡易表を作りました・・・ど素人なので誤入力や間違いがあるかもしれませんので詳しくは別ページに添付しましたリファレンスを見てください。
テーブル品種かどうかについては機関の発表じゃなくて市場で製品化されているかどうかで判断しています。豊産性であるかどうかや隔年結果性等については品種間の一貫した比較データがないですが掲載することにしました。決して営利栽培に向けた情報じゃないです。自己受粉については一応1本でも実りはするけど「部分的に実る」程度に思っておいたほうがよいです。自分の花粉で受粉する情報があったとしても大きな果実をたくさん実らせる保証は何もありません。環境によっては実を付けない場合があるらしいです。しっかり実らせるには相性のよい品種か、ペンドリノのような受粉樹専用の品種を用意したほうが確実です。相性があるからといって相互に実るとは限りません。国内栽培の確たる結実証拠はないので情報を真に受けないでくださいね間違っても絶対受粉相性あります!なんてこの内容を信じないほうがいいと思います、なにせ私は賢くないのでー。
※こちらを参考にするより有料の本を買われたほうが内容の保証性もあるので確実です。

1. オリーブの相互受粉性のある品種の組み合わせ(例)

・アーベキーナとマンザニロ*13
・マンザニロとピッチョリーネ
・コロネイキとマンザニロ*31
・ピクアルとLechin de Sevilla*31
・コロネイキとミッション*18(直下の引用から)
・フラントイオとカラマタ*18
・バルネアとカラマタ*18
・カラマタとコロネイキ*18
・コラティーナとフラントイオ*18と1-3-2表から。

受精率は文献か文献研究1のテキストを参照ください。

文献*18
Top likely pollen donors identified at the Gumeracha site for the following mother trees were:
• Frantoio: Kalamata, Mission
• Kalamata: Frantoio, Koroneiki.
• Koroneiki: Mission, UC13A6, Kalamata.
• Mission: Koroneiki.
• Barnea: Kalamata, Mission, Pendolino. 
Top likely pollen donors identified at the NOVA site for the following mother trees were:
• Frantoio: Kalamata, Coratina, Hardys Mammoth, Manaiki, Picual/Azapa
• Kalamata: Koroneiki, Frantoio/WA Mission, Barnea
• Koroneiki: Mission, Hojiblanca, Hardy's Mammoth, Arecuzo
• Mission: Koroneiki, Arbequina, Amelon, Blanquette, Oblonga

2. オリーブの受粉相性一覧

オリーブの受粉相性を海外の文献から調べるのがたいへんでしたが、表にしてみました。ホームページづくりの基本に乗っ取って表を作ったところ、少々見づらくなってしまいました。
オリーブの受粉相性一覧
下記の表は、2016年11月時点のオリーブの品種ごとの受粉相性や品種特性の一覧表です。 私は専門家でも何でもありませんので内容に対する信頼性はありません。あくまで困ったときの参考程度にとどめておきましょう。
オリーブの品種名 オリーブの果実サイズ オリーブオイル適性 テーブルオリーブ適性 オリーブの耐寒性(注7) オリーブの自己受粉 オリーブの花粉提供品種 オリーブオイルの含有率% オリーブのポリフェノール含有量 オリーブの生産性
アーベキーナDB ▲(コロネイキの結実率の半分ほど) マンザニロと相互受粉*13 ピクアルと相互受粉*31 25-27  生産性高*37 
アザパDB 特大 15-16 Slight Altanate 
アスコラーナ 大-特大 不*▲60%*19 セビラーノ94%*19 マンザニロ89%*19 ミッション レッチーノ フラントイオ ペンドリノ 25-22 Constant Good Altanate
アスコラーナテネラDB 大-特大 マンザニロ CAミッション マウリーノ*41 低-中 Constant heavy(young) Altanate(aged)
アメリカーノDB
アルボサナDB 中と高の見解 マウリーノ ペンドリノ レッチーノ*20 マンザニロ アーベキーナ コロネイキ*HP 19-20
Altanate High*20
アレクッツォ 小-中 生産性高*37
イトラーナDB 中-大 レッチーノ フラントイオ ペンドリノ アスコラーナテネラ*41 マンザニロ*41 Constant Good
ウエストオーストラリアミッション
ウォリス
エルグレコ ▲(率は不明)
エンペルトレ 成木になってから良い。霜に弱。
オークラン ▲(率は不明)
オヒブランカDB 中-大 アーベキーナ マンザニロ*注2 ピクアル 17-19 Altenate High
オブリザ  
オブリッツァ - - - - - -
オリンピア
ガエタ                
カラマタDB 中-大 ほとんど不和合2%*25 Pollen Geminationは23%*38  バルネア*18 コラティーナ*17 フラントイオ*18 コロネイキ*18 ペンドリノ WA-Mission 栄養成長率低*37
Altenate 技術次第でConstant
CuccoDB 中-大 不和合 フラントイオ レッチーノ コラティーナ Altenate
クライスト ▲(率は不明)
コラティーナDB 中-大 高  ほとんど不▲ フラントイオ レッチーノ ペンドリノ モライオロ 21-27 very high Constant good Annual
コルニカブラDB ほとんど不▲ 23-27 very high
コレッジョラDB 小-中 ミッション カラマタ*39 レッチーノ コラティーナ ペンドリノ 栄養成長率高*37
コロネイキDB   ▲25%*15 ミッション*18*39 オヒブランカ*18 アーベキーナ ペンドリノMastoides 24-28 very high Altanate  栄養成長率高*37
サウスオーストラリアヴェルダル 中-大 ミッション ブラックイタリアン*25    
ジャンボカラマタ 特大            
J5        
セビラーノ 特大   ▲50%*19 アスコラーナ マンザニロ95.7% *19アーベキーナ ミッション 12to17 Alternate Medium 
セントキャサリン - - ▲(詳細は不明) - - - Alternate
タジャスカDB ▲部分的 ペンドリノ アスコラーナテネラ*41 レッチーノ*41 23-26 Constant Good Annual*44
タラスコア - - - - - -
チプレッシーノ 小-中 モライオロ フラントイオ マウリーノ レッチーノ
ティニーオイルカラマタ               生産性高*37
デルモロッコDB       高*37   生産性高*37 
ネバディロブランコDB     マンザニロ ピクアル アーベキーナ      
ノチェッラーラデルベリーチェ 不和合 ペンドリノ 20   Constant High Altanate
ハーディーズマンモス 特大              
パラゴン(フラントイオ)DB                
ハルキディキ           Altenate
バルネアDB 部分的▲ カラマタ *18ミッション*18 マンザニロ*1 ピッチョリーネ*1 ピクアル ペンドリノ*18 フラントイオ Constant High(灌漑による) Annual*44
バロウニ ▲(率は不明) 13-18 Altenate,  栄養成長率やや低。*37
ピクード 中-大   高    オヒブランカ*1 ピクアル*1 22-24 midium Annual*44
ピクアルDB 中-大 中-高 不*22or▲注1,部分的 Pollen Geminationは12%*38とSelf-Compatible(自己と相性がよい)とされる*1 ピクード*1 アーベキーナ相互受粉*31 レッチーノ*41 マウリーノ*41 24-27 very high Constant Good Annual*44
ピッチョリーネDB ▲部分的。 マンザニロと相互受粉*13  バルネア ピクアル レッチーノ ペンドリノ Aglandau アスコラーナテネラ*41 マウリーノ*41 マンザニロ*41 12to20 低と中、高の3つの見解 Constant Good 栄養成長率高*37 Annual*44
ブラックイタリアン 中-大              
フラントイオDB 小-中 ほとんど不和合または▲低7%*25 Pollen Geminationは2%*38 アメリカン ペンドリノ*1 コラティーナ レッチーノ*1 モライオロ ロシオーラ マウリーノ ミッション*18 カラマタ*18 23-26 midium Constant Good 栄養成長率高*37
ヴェルダル           Constant Good
ヘレナ - - - - - - -  栄養成長率高*37
ペンドリノDB 不Pollen Geminationは3%*38 どんな品種とでも。ピクアルとは不和合。アスコラーナテネラ*41 20-25 midium Constant Good
ヴォロスKonservolia            
ホワイト               栄養成長率低*37
マウリーノDB   不19%以下 レッチーノ フラントイオ ペンドリノ モライオロ アスコラーナテネラ*41 レッチーノ*41 マンザニロ*41 ピクアル*41 ピッチョリーネ*41 14-20, 20-25 high Constant good
マンザニロ 中-大 低-中 不*22or▲30%*19 部分的 Pollen Geminationは19%*38 セビラーノ94%*19and*1 アスコラーノ90%*19and*1 フラントイオ ピクアル アーベキーナ レッチーノ*41 マウリーノ*41ピッチョリーネ*41 15-26, 14-20 very high Alternate Good
ミッションDB ほとんど不和合3%*25 コロネイキ*18 アーベキーナ*18アスコラーナ セビラーノ 19-24 midium Alternate Midium 
モライオロDB   ペンドリノ*1 マウリーノ*1 フラントイオ アメリカーノ 18-28 very high Alternate Good
ヨーロピアーナ 小-中            
ラキーノ            
レクーレ - - - - - -  栄養成長率高*37
レッチーノDB 小-中 不0.15%*41 フラントイオ*1 マウリーノ アーベキーナ*41 アスコラーナテネラ*41 マンザニロ*41 ペンドリノ*41and*1 タジャスカ*41 22-27 midium Constant Good Altanate*44
ルッカ 小-中   ▲(率は不明)  ペンドリノ 22-24, 28 midium  
UC6A7 - - - - - -  栄養成長率高*37 Altanate
UC13A6 特大 - - - 容易  - -  Altanate 
ロシオーラ       レッチーノ マンザニロ      
ワシントン            
ワッガヴェルダル   ▲(率は不明)        
ワラサWallace - - - - - 栄養成長率やや低。*37
177(ワンセブンセブン)    中 ▲(率は不明)        生産性高*37 
- - -         - -
注1.ピクアルは自家不和合性との情報もある。(クエバス, J. 2009)
 ※自家結実性の高いピクアルは別品種である可能性(筆者, 2016)
注2.オヒブランカとマンザニロは遺伝的類似性の研究においてクラスターが近い*28
注3.樹勢については3年間の樹高の伸び率の研究*37を参照し、高さと横幅の伸びの相関図において総合して高い伸び率のものを栄養成長率が高いとし、最も低いものを栄養成長率が低いとした。
注4.これらの結果は研究された国と圃場内の結果であって日本で同様の結果をもたらすものではないことに注意したい。
注6. *38はPollen Gemination(花粉のめしべの上での発芽)の%の結果であり結実の結果ではない。
注7.耐寒性高いといっても栽培可能地域(地中海性気候)での分類で、総合的に耐寒性は低い。

データベースへのリンクについて、完全に同名ではない場合があって一字違いで同じ品種かどうかわからないものもリンクすることにした。

受粉の項目に文献番号を記載した。
受粉の論文を読み比べると一貫性がないため、複数の見解を同時に記すことにした。
日本ではピクアルとマンザニロは自家和合性として紹介されているが、文献では自家不和合性であるとして否定されている。
ほとんどのイタリアのオリーブは自家不和合性である*23

暖かい地域と涼しい地域では花粉の発芽率に差がある。*38

フラントイオとマンザニロとペンドリノは完全花率80%以上であった。ピクアルとカラマタの完全花は30%未満であった。(Sexual compatibility within and between olive cultivars要約より引用)

3. 遺伝的近縁によるグループ分け

・・・結局無知識なのでさっぱりわかりません
DNAフィンガープリントとは何だ?といった感じです。
もし勉強する機会があったらがんばってみようと思います

4. オリーブの受粉相性非相互受粉性の組み合わせ(例)

・フラントイオ(母樹)とバルネア(花粉樹)*18
・カラマタとミッション*18
・カラマタとマンザニロ*18
・コロネイキとフラントイオ*18
・ミッションとマンザニロ*Pollination and Fruit Setより引用。セヴィラーノで解決できる。

ほかにも花粉が胚に受精しない多くの組み合わせがある。

5. オリーブの果実のサイズ、大~特大品種一覧

5g以上あったら大サイズ、10g近くあったら特大サイズと私が勝手に決めつけてます!

・アザパ・・・4~12グラム。11:1。
・アスコラーナ・・・アスコラーやアスコラーとどう違うのか国によって同名でも遺伝子も異なったりするので調べるほど何がなんだかわかりません(汗
アスコラーナテネラ・・・8~10グラム。6~8:1。
イトラーナ・・・写真で大と判断。丸みがある。
ウォリス・・・
・Cucco・・・大。4:1
・サウスオーストラリアヴェルダル・・・7~10グラム
・ジャンボカラマタ・・・~12グラム
・セビラーノ(ゴルダル)・・・9~11グラム。7:1。クロス受粉品種としてミッション等と一緒に栽培される
・ノチェッラーラデルベリーチェ・・・5~7グラム。りんごのように丸い。大。
・ハーディーズマンモス・・・
特大
・ハルキディキ・・・
大-特大6~10グラム。ドンキーオリーブともいわれる。10:1
・バロウニ・・・
大。
・ボロス
(Conservole , Konservolia)・・・大。
・マンザニロ・・・中-大
・UC13A6・・・9~11グラム・ワシントン・・・
ワンセブンセブン・・・大

6. オリーブのポリフェノールの含有量

Olive cultivars and oil polyphenols (2013)によるポリフェノールの品種間比較
高ポリフェノールの品種
・コラティーナ
・コルニカブラ
・コロネイキ
・マンザニロ
・マウリーノ
・ミッション
・モライオロ
・ピクアル
・ピッチョリーネ(別の文献では中や低とも)


中ポリフェノールの品種
・Aglandau
・Arbosana
・アスコラーノ
・Bouteillan
・Varolea
・フラントイオ
・ オヒブランカ
・イトラーナ
・レッチーノ


低ポリフェノールの品種
・アーベキーナ
・ノチェラーラ
・ピクード
・セヴィラーノ
・Casaliva
・Tanche 

7. 世界の産地を代表するオリーブの品種

コラティーナ・・・イタリア地中海沿岸の代表品種、ポリフェノール多い*44。
ピクアル・・・スペイン地中海沿岸の代表品種、ポリフェノール多い。
・アーベキーナ・・・アルゼンチンとチリとカリフォルニア*44
・バルネアとフラントイオ・・・オーストラリア*44

8. (灌漑技術で)毎年結実するオリーブの品種リスト*44

カリフォルニア大のPawl Vossen(ファームアドヴァイザーでOlive Production Manualの執筆者)の資料から引用しました。
日本でも同じ結果になるとは限りません。

・ピクアル
・ピッチョリーネ
・バルネア
・コラティーナ
・ピクード
・Bosana
・タジャスカ

9. 家庭菜園でのおすすめのオリーブの苗木はどれか

結局どれがいいか、何がよいか、人それぞれなんですけど、

味にこだわらず、実りやすさと抗酸化物質の多さを兼ねた品種は・・・ナンバー1はコラティーナ、2位以下はピクアルとピッチョリーネ
・・・ということになりました!

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